河津桜物語
東京ではまだ寒さが続く2月中旬のある日、ずっと訪れたかった場所へと出かけました。
それは河津桜の発祥地、静岡県賀茂郡河津町です。
河津桜は淡紅色の大輪花弁が特徴で、例年2月から開花し始め、早咲きの桜として知られています。咲き始めから満開まで長く楽しめ、約1ヶ月間の開花期間を持つこの桜は、河津桜まつりを通じて多くの人々を魅了し、人気の桜の名所としての地位を確立しています。
川沿いを歩くと、両岸に約850本もの桜並木が広がっています。実際に目にすると、想像以上に鮮やかなピンク色の景色に圧倒されます。
ゆったりと散歩しながら、目指す原木に向かいました。その際立って大きな姿には、すぐに心を奪われました。
1955年(昭和30年)頃、飯田勝美氏が河津川沿いで見つけた若木が、この桜の起源です。後の研究で、この桜が新種(オオシマザクラとカンヒザクラの自然交配種と推定)であることが明らかになり、1974年(昭和49年)にはこの地域にちなんで「河津桜」と名付けられました。
開花が早く、すでに葉桜が進んでいましたが、その生命力の充溢には、まるで大きな力をもらったような感覚になりました。町内では、さまざまな表情や色合いの桜を楽しむことができ、早めの花見を満喫しました。
河津桜は、結婚式の披露宴や宴会場を装飾する際にも人気の品種で、他に類を見ないボリューム感と可憐なピンク色で、会場を華やかに演出します。自然の中でのその姿をずっと見てみたいと思っていたので、今回、その願いが叶いました。来年もまた訪れることを楽しみにしています。
◎ゴトウフローリストでは、この時期に合わせて数多くの品種の桜が入荷しています。
皆さまのお花見が素晴らしい思い出になるよう願っています。