

老舗の歳時記
−時花−
ポインセチア
クリスマスが近づくと花屋に鉢物が豊富に並ぶことから、「クリスマスフラワー」とも呼ばれるポインセチア。メキシコの山地原産のユーフォルビア・プルケリマ(Euphorbia pulcherrima)を改良して誕生しました。見た目は草花のように扱われることが一般的ですが、本来は低木であり、その優雅な姿勢が特徴です。赤や白などに色づく部分は、花と誤解されがちですが、これは苞(ほう)と呼ばれ、花は苞の中心にある小さな黄色い部分です。
クリスマスの季節にはその鮮やかな色合いと独特の雰囲気で、多くの人々に喜ばれる存在となっています。
メキシコに住む少女、ペピタは、クリスマスイブの夜にイエスさまのお誕生日を祝おうと考えました。
しかし、贈り物をするお金もなく、どうすればいいか途方に暮れていた彼女に、いとこであるペドロが優しく寄り添います。「どんなささやかなものでも、心からの思いが込められていれば、きっと喜んでくれるよ」と励ましの言葉をかけました。
ドロの言葉に勇気づけられ、少女は道端で草を集め、心を込めてブーケを作りました。教会に持っていくと、その瞬間、驚くべきことが起こりました。ブーケの草が、美しい「花」に変わり、見たこともない真っ赤な植物になったのです。
この奇跡は、ペピタの純粋な心と善意から生まれたものと信じられました。その真っ赤な植物が後にポインセチアと呼ばれ、クリスマスの象徴となりました。少女の小さな善行が、美しい花を通じて人々に喜びをもたらし、クリスマスの奇跡として伝えられ続けています。
深みのある優しい赤、柔らかな桃色、そして穏やかな乳白色。
寒冷な季節に、温かさと優雅な雰囲気のポインセチア。クリスマスの訪れと共に、温もりと幸せをお届けします。
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