黄色い絨毯<br><font size="-2">in The Capitol Shop / written by Kanako Yoshihara</font>

師走が迫る中、のんびりとした休日にランニングを。黄色い絨毯を見たくて予定のコースを変更し、国営昭和記念公園へと向かいました。 公園内では、銀杏の木々が美しい黄葉に彩られ、秋から冬への移り変わりを感じることができ,心がそわそわと躍動するような気持ちと同時に、静寂で心地よい平穏さも漂っていました。
そして、風に乗って漂う空気には、特有の匂いが・・・。

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学名Ginkgo bilobaとして知られる銀杏は、生きた化石とも称される樹木です。中国原産で、約2億年前の中生代ジュラ紀に初めて姿を現し、「生きた化石植物」と呼ばれています。大気汚染に対する抵抗力を有し、環境改善に貢献する樹木としても高く評価されています。
銀杏の実は収穫の時期を迎え、収穫が終わると同時に葉が美しい黄色に色づき始め、その魅力的な姿だけでなく、季節ごとの変化も楽しみです。身近な存在ではありますが、あまり知られていない生態の驚くべき側面があります。
ご存知でしょうか?銀杏の木にはオスとメスが存在するのです。

銀杏は雌雄異株であり、オスの木は花粉を、メスの木は種子を生産します。花粉は微細で、風に乗って何キロも飛散することができます。この特性により、受粉の手間がかからず、敷地内にオスの木があれば、勝手に受粉が行われるため、小規模な果樹園ではオスの木が不要な場合もあるそうです。
銀杏の実を結ぶのはメスで、実の重みで木の枝は垂れ下がります。実がなるまではオスとメスの区別がつかないため、植樹の際も性別が分からないまま植えられることがあるそうです。
また、オスの銀杏は葉に袴のような切れ込みがあり、メスはスカートのようにひらひらと切れ込みがないという説も。春に咲く花もオスは黄色く、花粉をまき散らす小さな花穂が現れ、メスは緑色の小さな花を咲かせ、今時期の銀杏は独特の匂いがあり、特に成熟した実が割れて中の種子が露わになるとその臭いは一層強烈になります。

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銀杏は神秘的で奥深い植物であり、不思議なことに性転換するとも言われています。栄養が枯渇すると雄花に変化するという、変幻自在な性質を持っています。
これらの特徴を知り、幼い頃から色々な遊びで思い出のある銀杏を、新たなつながりを感じつつ、ゆっくりとした時間を穏やかに過ごすことができました。

 

◎普段、何気なく扱っている花たちについて、ゴトウフローリストではそれぞれの花の植生などを知る上で、おすすめ情報を提供していきたいと考えております。お客様からのお話も、ぜひお伺いしたいです。