おくの花みち<br><font size="-2">in Roppongi Shop / written by Ayaka Kimura

江戸時代、千住宿に次ぐ日光街道第2の宿駅として栄えたのが草加宿です。松尾芭蕉が「おくのほそ道」の旅で最初に訪れた宿駅であり、私の住む町、そして、通う道。

港区 六本木 花屋 ゴトウフローリスト おくのほそ道

元禄2年(1689年)3月27日、46歳の松尾芭蕉は弟子の曽良を伴い、江戸深川を発って奥州への旅に出発しました。この旅は、日本を代表する紀行文学『おくのほそ道』として後世に残り、日光、白河の関から始まり、その後は松島、平泉、象潟、出雲崎、金沢、敦賀といった東北・北陸の名所旧跡を巡り、美濃国大垣までの総距離が600里(約2400キロメートル)、全行程150日間の壮大なものでした。

「月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人なり。舟の上に生涯をうかべ、馬の口をとらへて老いをむかふる者は、日々旅にして、旅を柄とす」
あまりにも有名なその書き出しは、「予もいづれの年よりか、片雲の風に誘はれて漂泊の思ひやまず」と続きます。真の美を求め、身の回りの一切を捨てて草枕の旅に出た芭蕉の悲壮感漂う決意が感じられます。「もし生きて帰らばと、定めなき頼みの末をかけ、その日にやうやう早加(草加)といふ宿にたどり着きにけり」と書いてあります。
この歴史ある土地を、私は毎日橋を渡り、通勤してます。

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都心ではクリスマスイルミネーションが始まる中、ここ草加の松並木では冬の風物詩である松の「こも巻き」が行われました。煌びやかなイルミネーションとは異なり、藁を身に纏いしっぽりと。。冬ならではのこの風景。冬の訪れを感じ、感慨深く愛おしい。

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歳末の候、様々な種類の松や、特級とも称される赤や黄色の千両が、松市や千両市という旅を経て。野の花や山々の木々もまた、旅を通じて選りすぐられ、その道程を重ねて六本木本店という舞台に辿り着き、本番を迎えるが如く、堂々たる姿が美しく凛とした雰囲気を感じられる店内に。
私も日々、姿勢を正し、技術、知識を兼ね備え、お客様の満足へと繋がるよう心掛け、新たな出会いと花々たちの旅のお手伝いをしてまいりたいと思います。

令和5年も終わりに近づき、新たな春が訪れます。この年末にあたり、誠にありがとうございました。感謝の気持ちと共に、新しい年が皆様にとって希望と幸福をもたらし、ご健康とご多幸が続くことを心よりお祈りしております。
これからも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます。
令和6年が皆様にとって素晴らしい一年でありますように。